Chihos room
Go Top Spacer Dialy   Spacer Osakana Seal Chiho Spacer Photo Spacer  
Under Line

 

Back Next


自信

 この仕事をしていると、ダイバーの女の子から、海の仕事をしたいけど・・、という相談を受けることがある。今日もそんなこんなで相当悩んでいる・・というので「では聞きましょう」と、聞き役を引き受けた・・。
  ワタシが初めて海に潜ったのは、10代の頃。その頃は、ただただ海の中にいたかった。自然の中に生きるサカナという生物も自分たちと同じように「生活」をしっかり営んでることに感動した。そして、今自分が見て感じているこの素晴らしい海の中を身近な人に伝える術はないのかと素人ながらにいつも考えてた。しかし、海の仕事をしている人達に憧れながらも、プロ側に自分が廻ると言うことは現実的ではなく、この仕事の大変さも、本当の海の怖さも楽しさも全く理解していなかった・・。本当に未知の世界だった。が、一度だけ当時のショップのオーナーに聞いたのを覚えている。「海でのバイトって出来ないですか?」。


 もしかしたらその頃は「海が好き」というより、「海にいてる自分」が好きだったのかもしれない。この二つ、似ているようで・・・・海の仕事をしたい人にとっては、この違いは実は大きなキーポイントになるのかもしれない。
  それから、十数年・・・。色んなコトにぶつかりながら、結局ワタシの人生は海中心の人生になっている。海という自然の恐ろしさと人の命を預かるプレッシャーに負けそうになる自分の弱さを思い知らされ、自分に負け、この仕事から離れていた時期もあったけど、海との関わり歴は、人生の約半分に追いつく。
 「自信がナイ」コトを強調する彼女。どんなコトについてもそうだけど、自信というモノは人からもらうもんじゃあない。人から誉められたり、励まされたりすると誰でも嬉しく「自分もまんざらではないなぁ・・」と思えるけれど、その前にまず自分が自分を認めていない限り、誰のどんな言葉も自分の中でホンモノの自信には変わらない。誰よりも自分が認められる自分。それは自分の弱さを認めて淡々と戦い、葛藤と努力の中で勝ち取るもんだと思う。どんな小さなことでもいい。自分を「よくやったな」と思える自分があって初めて、誰かの賞賛や励ましが自分のホンモノの自信という糧に変わる気がする。その努力なくして、人からの言葉を待っているだけでは、何も始まらない・・。

  仕事に限らず、そんな積み重ねと人とのふれあいの中からワタシは、タクサンのエネルギーを得ている気がする。受け身ではなく、目の前の小さなことから自分が今やるべきコトに向かって動いていけば、夢や願いはきっと現実になると思う。
  「スゴイと言われる自分」ではなく、淡々と心の中で「スゴイと思える自分」を目指したい。

・・・2002/11/9 dairyより